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第二十一回文学フリマ出店のお知らせ

11月23日(月祝)東京で行われる文学フリマにまたA4しんちゃんで出店することになりましたのでお知らせします。今回私は何も書いてません。

こだま「塩で揉む」(ブログ)
爪切男「小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい」(ブログ)

こだま、爪切男がそれぞれ自身のブログをまとめたブログ本を出します。


塩で揉む表紙裏表紙
【書籍名】塩で揉む
【著者】 こだま
【定価】 1300円(税込)
【ページ数】321
【表紙デザイン】 惣田 紗希


「原稿読んだのですがとんでもないボリュームですね」としりこだまさんに伝えると「読むの大変だったと思います。ありがとうございます!」と返事がきたのですが、あまりのボリュームにこち亀とろくでなしブルースしか読むものが無くなったやばい時期のジャンプをめくるスピードで読んだことが言えなかったです。いつの間にかSPA!やクイックジャパンでエッセイを書く謎のおばさんになってるしりこだまさんはもしかしたら次に本を出す時は同人誌ではなく出版社からということがあるかもしれませんので、内容に口を出す編集者がいない恐ろしさを味わえるのは今回だけかもしれません。おそらくエッセイの仕事で「今回は○千字で..」「入院した時の話で..」「○日までにお願いします」と慣れない縛りがある文章を書くストレスの反動で、家族や仕事や病の話から「それいる?」ってエピソードまですべてが筆者の思うがまま天真爛漫に入ってるので、何の説明もなく「祖父母の故郷であり、“チームいわし”の拠点でもある..」と言われても不思議と納得させる熱を感じました。自分が書きたいから書いた話を自分が本にしたいから本にした話しかない、まさにブログ本にふさわしい内容だと思いました。ずっと笑いながら読めます。表紙の惣田さんのイラストもかっこよく、たけしの映画みたいな不穏さも感じて、映画の中のたけしがいつの間にかこめかみに銃口を当てて自殺するしかなくなるように身バレが近づいてるしりこだまさんにぴったりな表紙だと思いました。やっと電車で読める表紙だ。


小野真弓表紙裏表紙

【書籍名】小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい
【著者】 爪 切男
【ページ数】168
【定価】 1000円(税込) 
【表紙デザイン】 向浦 宏和


爪切男はブログ名を「生き別れた母親(実名)と兄(実名)を探しています」にしてたら、ほんとに母親からコメントがきたというTVのチカラってなんだったんだとあらためて思う出来事があった人で、リアルタイムで「母親から連絡がきました」とLineで見た時の興奮は今でも覚えています。他にもこういう不思議な経験をたくさんしてる人で、鶴瓶です。すいません。もう面倒になってきました。面白いので買ってください。本の値段を「俺の本がAVより安いのはありえへんと怒ったツイートをしてから1万円で売ってください。」と松本人志の寸止め海峡と同じにしたほうがいいと2度アドバイスして2度無視されました。

漫画家の向浦さんが書いた表紙は電車で読めないかもしれませんが、電車でパニック障害が起きる爪切男にぴったりだと思いました。こんなきれいな女の子を描けるようになりたい。

2冊とも編集した蟹江さんお疲れ様でした。おかげで面白い本が読めました。



【日程】2015年11月23日(月祝)11:00~17:00 
【会場】東京流通センター 第二展示場
文学フリマ地図
最寄り駅:東京モノレール 流通センター駅(徒歩1分)
     空港快速は流通センター駅に止まらないので注意
     流通センター駅を下車して正面に見える建物が会場である第二展示場

【ブース位置】エ-63・64(エスカレーターを昇った2階の会場です)
【サークル名】A4しんちゃん
文学フリマブース20151123

では、当日お待ちしております。
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終わりの季節

10月25日18:20。姉からメールが来た


姉のメール



母親は10数年前私が実家を離れ県外の大学生活を送っていた時に脳出血を起こし、一命は取りとめたがそれからずっと左半身麻痺の車椅子生活を送っている。大学を卒業し、また実家から離れた県外の企業に就職してすぐ退職、漫画家になりたいと思い上京し10年、未だ働いてるコンビニのストレスをぶつけた漫画を自分のブログにアップする連載しかしてない現在までの間に、母親はさらに2回脳出血を起こしている。

1度目の脳出血の時医者から「覚悟しておいてください」とドラマでしか聞いたことないセリフを言われた。これまで母親が風邪で寝込んでる姿さえ見た記憶がないのに、いきなりICUでピトーを倒したあとみたいになってるのを見て、このセリフを言われたので、心がやられないように先手必勝で母親との別れを自分の中で済ませた。なので、その後奇跡的に左半身麻痺だが元気に回復したあともどこかずっとオバQと一緒にいる気分になり、のちに2回脳出血が起きたと連絡があった時も、オバQが正ちゃんの家に住めなくなるぐらいのドキドキで「堪忍やで~(涙)」と西に向かって拝んでいた。調べたらオバQは卵から産まれてるので幽霊ではなく、ジバニャンの方が近いかもしれないが、元々何の趣味もなく社交的でなかった母親が病気になってから突然なぞなぞでリハビリ施設の人気者になってたので(施設の新聞に母親のなぞなぞのコーナーができてた)、オバQがやることだと思う。ジバニャン知らないし。




姉のメール1


親が死んだ時何もしてやれなかったなと後悔することがあるらしい。親が死んだ時に、親孝行って何って考える。でもそれを考えようとすることがもう親孝行なのかもしれない。とは思えないわけで、やっぱり生きてるうちにマンションを買い、旅行にも連れていき、赤坂プリンスを押さえてるのである。この肺炎からの死しか待ってないようなメールを読み、もし母親が死んだらと想像した時悲しいではなくやばいと思ってしまった。母親にした親孝行で“肩揉み”が浮かんだ。1番に肩揉みはやばい。もう40代も見えてるのに。私は肩を揉む才能があった。じいさんが按摩さんだったのだが、その才能を唯一受け継いだ孫が私だった。子供の頃いろんな大人の肩を揉んだ。自分の家で、正月の親戚の家で、職員室で、部活で。最悪だったが揉んだ人が本当に気持ちよさそうな顔をするので少なからず喜びがあった。母親も肩こりがひどかったのでよくリクエストされて揉んでいた。母親はそれでも嬉しいというかもしれないが、子供の頃の肩揉みと、毎月常に貯金が無くなり、友達が「もうあそこでいい?」となんとなく指差して入ったロイヤルホストでほぼ1000円以下の食べ物がないことに気づき「(お前に)騙された」と大声を出して500円奢ってもらう30代の乞食の肩揉みでは、子供も乞食も肩揉みとの相性は良いかもしれないが印象は違う。今も揉むしかない現状が情けなかった。










姉のメール2






姉のメール3



肩揉み以外で思い出すことがあった。私は子供の頃異常に懸賞が当選する時期があった。それも1名や3名とかの上位商品が怖いぐらい当選していた。思い出しただけでも、エンペラーのラジコン、ホバークラフトのラジコン、魍魎戦記摩陀羅のカセット、少し大人になってからだがセガサターンの本体などが当たった。だんだんその商品が欲しいより当選する喜びの方に気持ちが流れていった私は、少年ジャンプなどの競争率が激しい懸賞より、地元のケーブルTVやタウン情報誌の懸賞に応募するようになり、全然欲しくない釣り竿やホッカイロのセットなどを当て、いつの間にか舟木一夫のコンサートのチケットを手に入れていた。私が子供の頃から学生服着たおじいさんだった舟木一夫に興味があるわけなく、どうしようかと思ったが、年代的にもしかしたらと一応母親に尋ねてみるとまさかの「行きたい」だった。母親は無趣味で本を読んでるとこも音楽を聴いてるとこもテレビで何か反応してるとこも見たことがなく、買い物以外で出かけるのは葬式と結婚式ぐらいしかなかったので、ましてや舟木一夫という同年代のアイドルに興味があるとは思ってなくて驚いた。妹の叔母と一緒にコンサートへ行って帰ってきた母親の体は完全に火照っていた。舟木一夫とS-Cute撮ってきたみたいな顔だった。そういえば母親が何を好きなのか食べ物ぐらいしか知らない。ただ流してるだけだと思っていたNHK歌謡コンサートも家事をしながら見ていたのだ。これが今のところ1番の親孝行かもしれないと思ったが、俺は乞食から逃れられないのかとも思った。



















姉のメール4



ノーマークだった。


こんなウケ方あるかよ。何の心配もせずにただただ笑ってしまった。
コインランドリーのフェンスってなんだよ。コインランドリーのフェンスを車で突き破ったらダメだろ。
頭にブラジャー乗せて気絶してるとこ浮かんだだろ。



どうやら自宅で洗った洗濯物を車に積んでコインランドリーの乾燥機で乾かそうと向かったら、コインランドリーのフェンスを突き破ってたらしい。何でかはわからないようだ。前のメールを見る限り、単純に疲れていたのだろう。
父親にケガは無いし、誰も巻き込まなかったのが不幸中の幸いだった。実家には軽自動車が2台あって、ひとつは父親の車、もうひとつは働かずにずっと二階で引きこもってる兄貴の車(おじいさんが買ってくれた車だが)があり、ちょうど父親の方の車の調子が悪く修理に出してたので、兄貴の車を借りてコインランドリーに向かいフェンスを突き破り、車が大破したので、ずっと兄貴が発狂してるらしい。兄弟で唯一まともな収入がある姉にはただただ申し訳ないとしか言えないが、私は肩を揉むしかない..。






姉のメール5
プロフィール

たか たけし

Author:たか たけし


ビッグコミックスペリオール「住みにごり」連載中



週刊ヤングマガジン「契れないひと」連載 全3巻



たかたけしの店 https://suzuri.jp/takatakeshi



お仕事などの連絡先 takatakeshi300@gmail.com

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